共有名義の空き家の処分について!放置するリスクも解説

共有名義の空き家の処分について!放置するリスクも解説

遠方にあるご実家など、親族と共有名義になっている空き家の処分について、どう進めればよいか分からずお困りではありませんか。
共有状態のまま空き家を長く放置してしまうと、固定資産税の負担が急増したり、相続によってさらに権利関係が複雑化したりと、ご自身だけの問題ではなく深刻な親族間トラブルに発展する恐れがあります。
本記事では、共有名義の空き家を放置する法的なリスクをはじめ、問題を根本から解決するための具体的な解消方法や、処分時に発生する費用について解説します。
権利関係が複雑な空き家をスムーズに売却し、将来の不安を解消したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

共有名義の空き家を放置して生じるリスク

共有名義の空き家を放置して生じるリスク

共有名義の空き家を放置すると、主に金銭的および法的なトラブルが生じます。
まずは、共有名義の空き家を放置する危険性について解説していきます。

特定空き家による増税

管理が行き届かず倒壊や衛生上の問題が生じると、自治体から特定空家等に指定される可能性があります。
さらに、2023年の法改正では、その前段階にあたる管理不全空家等も設けられ、より早い対応が求められるようになりました。
勧告を受けると住宅用地の特例が外れ、200㎡以下の土地では固定資産税の負担が大きく増えることもあるでしょう。
また、固定資産税は共有者全員に連帯納付義務があるため、ほかの共有者が支払わなければ、ご自身に請求が及ぶ場合もあります。
滞納による差し押さえを防ぐためにも、共有者間で管理方針と納付状況を定期的に確認することが大切です。

他者との共有関係発生

不動産全体の売却や解体には共有者全員の同意が必要ですが、ご自身の共有持分だけなら、原則として単独で第三者へ売却できます。
そのため、ほかの共有者が持分を手放すと、面識のない第三者と新たに共有関係になる可能性があるでしょう。
とくに買取業者が共有者となった場合は、持分の売買や不動産全体の処分について、具体的な協議を求められることがあります。
さらに、話し合いがまとまらなければ、裁判所へ共有物分割請求訴訟を申し立てられるケースも否定できません。
競売に進む可能性もあるため、第三者が加わる前に共有者同士の意向を確認し、今後の方針を整理しておくことが重要です。

相続による権利の複雑化

共有者が亡くなると、その持分は相続人へ引き継がれるため、相続を重ねるほど共有者が増えて権利関係が複雑になりやすいです。
さらに、相続登記をしないまま次の相続が発生すると、関係する親族の範囲が広がり、全員を把握することも難しくなるでしょう。
共有者が増えれば、売却や解体に必要な同意を集めるだけでも、連絡や話し合いに多くの時間を要します。
また、認知症の方や行方不明者がいる場合は、成年後見制度や不在者財産管理人などの手続きが必要になることもあります。
2024年4月から相続登記は義務化されているため、将来の負担を増やさないよう早めに権利関係を整理することが大切です。

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共有名義の空き家問題を解消する方法

共有名義の空き家問題を解消する方法

前章では放置するリスクについて述べましたが、早めに対処して安心したいと考える方が多いはずです。
ここでは、共有名義の空き家を手放すための、解消方法について解説します。

全員合意での全体売却

空き家全体を一般の不動産として売却する場合は、共有物の変更行為にあたるため、共有者全員の同意が必要です。
そのため、売却を進める前に希望価格や引渡し時期などを話し合い、条件について認識をそろえておきましょう。
また、共有者のなかから代表者を1人決め、不動産会社との窓口を一本化すると、連絡や手続きを進めやすくなります。
全体売却なら買主が完全な所有権を取得できるため、持分だけの売却より需要が見込まれ、市場価格に近い条件を目指しやすい点が魅力です。
売却代金や手数料の負担は原則として持分割合に応じるため、後の行き違いを防ぐためにも書面で確認しましょう。

自身の持分のみを売却

ご自身の共有持分だけを売却する方法なら、ほかの共有者から同意を得られない場合でも、共有関係から離れられる可能性があります。
ただし、持分だけでは不動産を自由に利用できないため、一般の買主よりも共有持分を扱う専門業者が主な相談先となるでしょう。
専門業者による買取では、短期間で現金化できるケースがあり、将来の管理や固定資産税の負担を手放しやすくなります。
一方、買い取る側の事業リスクなどが価格に反映され、持分割合から単純計算した金額より買取価格が低くなる傾向があります。
そのため、査定の根拠や契約条件を比較し、納得できる内容か確認してから進めることが大切です。

他持分を買い取り単独化

ほかの共有者の持分を買い取り、すべての権利をご自身にまとめれば、空き家を単独名義の不動産として扱えるようになります。
単独名義になれば、解体や改修、賃貸、将来の売却などを、ご自身の判断で進められる点が大きなメリットです。
また、空き家を使う予定がない方は、取得を希望する親族へご自身の持分を売却や贈与で譲り、権利を一本化する方法もあります。
ただし、親族間の譲渡でも適正価格や税金への配慮が必要なため、契約内容を書面に残しておきましょう。
買取や譲渡を進める際は、不動産会社の査定など客観的な根拠を確認し、必要に応じて専門家へ相談すると安心です。

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共有名義の空き家を処分する際にかかる費用

共有名義の空き家を処分する際にかかる費用

ここまで解消方法を解説しましたが、実際にいくらかかるのかも、以下の点をおさえておきましょう。
最後に、共有名義の空き家を処分する際に発生する費用について、詳しく解説していきます。

名義変更などの登記費用

空き家を処分する際は、登記簿の内容を正しい状態に整えるため、登録免許税や司法書士への報酬が発生することがあります。
所有権移転登記の登録免許税は原則2.0%ですが、土地の売買では一定期間1.5%の軽減税率が適用され、売買では買主が費用を負担するのが一般的です。
一方、売主側に住宅ローンの抵当権が残っている場合は、引渡し時に抵当権を抹消できるよう手続きを進めなければなりません。
その登録免許税は不動産1個につき1000円で、土地1筆と建物1棟なら合計2000円となります。
さらに、住所や氏名が登記内容と異なる場合は変更登記も必要になるため、事前に登記事項証明書を確認し、必要な費用を把握しておきましょう。

譲渡所得税と印紙税

空き家を売却して利益が出た場合は、売却代金から取得費や譲渡費用などを差し引いた譲渡所得に、所得税や住民税が課されます。
取得費には購入代金など、譲渡費用には仲介手数料などを含められるため、関連資料は保管しておきましょう。
また、売却年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり、短期譲渡所得より税率が低くなります。
相続した空き家では亡くなった方の所有期間を引き継ぎ、一定の要件を満たせば最大3000万円の特別控除を利用できる場合もあります。
さらに、売買契約書には売買価格に応じた印紙税が必要となるため、譲渡所得税とあわせて事前に確認することが大切です。

売却時の仲介手数料

不動産会社の仲介で売買契約が成立すると、成功報酬として仲介手数料が発生しますが、相談や査定の段階では原則、費用はかかりません。
仲介手数料には法律で上限が定められており、売買価格が400万円を超える場合は、所定の計算式に消費税をくわえて算出します。
たとえば1500万円で売却した場合、税抜の上限額は51万円となる計算です。
また、この費用は共有者間で持分割合に応じて負担するのが基本となるため、売却前に分担方法を確認しておきましょう。
なお、売買価格800万円以下の空き家では、2024年7月から一定の要件で、最大30万円に消費税を加えた仲介手数料の特例があります。

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まとめ

共有名義の空き家を放置すると、固定資産税の負担増加や他者との共有関係発生、相続による権利の複雑化などさまざまなリスクが生じます。
全員合意での売却や自身の持分のみの売却、他持分の買い取りなど、状況に合わせた具体的な方法で空き家問題を解消することができます。
不動産を処分する際には、登記費用や譲渡所得税、不動産会社への仲介手数料といったさまざまな費用が発生するため、事前に確認しておくと安心でしょう。

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