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住宅ローンを頭金なしで組むメリット・デメリットについて解説

購入の豆知識

二見 敬祐

筆者 二見 敬祐

不動産キャリア11年

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住宅ローンを頭金なしで組むメリット・デメリットについて解説

住宅ローンを利用する際には、まず頭金を入れたうえで住宅ローンを組むのが一般的ですが、頭金なしでマイホームを購入するケースも増えています。
しかし、頭金なしで住宅ローンを組む場合、メリットだけでなくデメリットも生じるため、慎重に検討することが大切です。
そこで今回は、頭金なしで住宅ローンを組むメリット・デメリットについて解説します。
マイホームの購入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

住宅ローンを組む際の頭金とは?頭金なしでも住宅の購入は可能!

住宅ローンを組む際の頭金とは?頭金なしでも住宅の購入は可能!

まずは、そもそも住宅ローンの頭金とはなにか、その役割や金額の目安について解説します。

頭金とは?

頭金とは、マイホームを購入する際に購入価格の一部として先に支払う金額です。
マイホームは高額な買い物であるため、多くの方が住宅ローンを組んで購入します。
売買契約を結ぶ際には、購入代金の一部を先に支払い、残りは住宅ローンで分割払いをするのが一般的です。
この契約時に支払う金額が「頭金」です。
たとえば、物件の価格が3,000万円で、頭金として500万円を支払った場合、残りの2,500万円について住宅ローンを組むことになります。
言い換えれば、物件の総額に対する頭金の支払い額が住宅ローンの組む金額を左右します。
昔は、住宅ローンを組む際には購入代金の約2割を頭金として支払うことが一般的でした。
しかし、最近では頭金なしで購入代金の全額に対して住宅ローンを組むケースも増えています。
手付金とはなにが違うの?
売買契約締結時には、「手付金」を支払います。
そして、この手付金は残金の支払い時に購入代金の一部に充てることができるため、「頭金」と「手付金」を混同されることがあります。
手付金は、売買契約の成立を証明するための支払いであり、購入を中断したい場合は手付金を放棄することで契約を解消できます。
一方で、頭金は金融機関から借りる資金を減らして返済負担を軽減するために先に支払うものです。
頭金は売買契約において必ずしも支払う必要はありません。
つまり、「頭金」と「手付金」は支払いの目的が異なります。

頭金の金額の目安

頭金の金額は、物件の種類によっても異なりますが、購入代金の10%~20%が相場です。
たとえば3,000万円の物件であれば、300万円~600万円が頭金の目安です。

頭金なしで住宅ローンを組むメリット

頭金なしで住宅ローンを組むメリット

マイホームの購入時に頭金を支払うためには、まとまったお金を貯める期間が必要です。
しかし、近年の低金利により、たとえば10%の頭金を支払ったとしても、利子の負担が以前に比べて少なくなっています。
早くマイホームを手に入れたい方にとっては、頭金を支払うために時間をかけて貯金するメリットが薄くなっているといえます。
そのため、頭金なしのほうにメリットを感じる方が増えているのです。
具体的なメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

メリット1:現金を手元に残せる

頭金を支払えば、当然のことながら手元の現金が減ります。
家族の失業や病気などで、いつ現金が必要になるかわかりません。
しかし、頭金なしでマイホームを購入すれば、貯金を使わずに済みます。
手元に現金があれば、急な出費にも対応でき、家計にもゆとりができます。

メリット2:住宅ローン控除に有利

住宅ローン控除とは、住宅ローンの残高の0.7%、新築住宅であれば13年間所得税が控除される制度です。
頭金なしでマイホームを購入した場合、頭金ありの場合より借入額が多いことから、控除額も大きくなります。

メリット3:早く返済を始められる

マイホームの購入価格をある程度設定し、その20%を頭金とする資金計画を立てた場合、たとえば3,000万円の物件であれば、600万円貯めることになります。
家計のなかからやりくりをして600万円の貯金をするには、数年かかるかもしれません。
賃貸物件に住んでいる場合、そのあいだ家賃も並行して支払わなければならないため、負担が大きいといえます。
しかし早い段階で住宅ローンを組んでマイホームを購入すれば、並行してかかる家賃が不要です。
早く借り入れた分早く返済を始められるため、定年退職の時期までに完済することも可能になります。

メリット4:チャンスを逃さず購入できる

立地条件や価格、間取りなど、理想の物件が見つかった場合、頭金が貯まっていないことで購入を先送りにすると、ほかの購入希望者が現れれば売れてしまいます。
好立地であればあるほど、条件の良い物件は人気です。
頭金なしで住宅ローンを組む場合は、購入したい物件が見つかったタイミングで手続きを進められる点も、大きなメリットだといえます。

頭金なしで住宅ローンを組むデメリット

頭金なしで住宅ローンを組むデメリット

頭金なしでマイホームを購入すると多くのメリットがあることを前章で解説しましたが、デメリットについても事前に知っておきたいですよね。
そこで最後に、頭金なしで住宅ローンを組む場合に注意すべきデメリットについて解説します。

デメリット1:住宅ローン審査にとおりにくい

住宅ローンを利用するには、金融機関の審査を通過する必要があります。
頭金なしでの申し込みの場合、家計の自己資金調達が難しいと見なされ、審査が厳格におこなわれる可能性があります。
金融機関は、不測の事態に備えて融資金の回収可能性を重視します。
返済能力に不安がある場合は頭金支払いのないケースよりも審査が厳しくなり、一部の場合では通過しないことも考えられるでしょう。

デメリット2:金利が割高になる場合がある

金融機関によりますが、頭金なしで住宅ローンを組む場合、金利が頭金ありの場合よりも高くなることがあります。
借入金額が大きくなるほど金利の上昇が影響し、返済総額が増加します。
したがって、頭金なしで住宅ローンを組む際には、金利の上昇幅を確認することが肝要です。

デメリット3:返済期間が長くなる

返済総額の増加に伴い、月々の返済額が増大し、返済期間も長期化します。
定年退職後も返済が続く場合、生活に支障をきたす可能性があります。
将来のリスクを考慮し、毎月の返済額や返済期間を確実に把握し、慎重な判断が求められるでしょう。

デメリット4:売却時に売却代金で完済できない可能性がある

住宅ローンは、長期に渡って返済するものです。
返済期間中に家族構成やライフスタイルが変化したり、転勤になったりすることもあり得ます。
住み替えのため、住宅ローンの返済途中にマイホームを売却する場合は、残債を完済しなければなりません。
売却代金で完済できれば問題ありませんが、完済できない場合は自己資金から足りない分を返済することになります。
頭金なしで住宅ローンを組んでいる場合、借入総額が大きいため、家を売却しても完済できない可能性があります。
自己資金を出してまで売却するとなると、なかなか売却に踏み切れないという方も少なくないようです。

まとめ

住宅ローンを組んでマイホームを購入する場合、以前は頭金を支払うのが一般的でしたが、最近は頭金なしで住宅ローンを組むケースが増えています。
頭金なしでマイホームを購入する場合、手元に現金を残せる点や、早く返済を始められるなど、多くのメリットがありますが、審査にとおりにくいなど注意すべきデメリットも存在します。
したがって、マイホーム購入の資金計画を立てる際には、頭金なしで住宅ローンを組むメリット・デメリットの両方を理解し、納得したうえで判断しましょう。


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