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共有名義で不動産購入をするメリット・デメリットとは?

購入の豆知識

二見 敬祐

筆者 二見 敬祐

不動産キャリア11年

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共有名義で不動産購入をするメリット・デメリットとは?

不動産購入を検討されている方は、共有名義という契約方法をご存じでしょうか?
共有名義で不動産購入をおこなう場合、単独で契約する場合より税金面でお得になったり、より多くの借り入れができるようになったりするなどのメリットがあるので、ぜひ内容を理解して活用してみてください。
この記事では、共有名義とはなんなのか?また、どういったメリット・デメリットがあるのか分かりやすく解説していきます。

不動産購入時の共有名義とは

不動産購入時の共有名義とは

共有名義とはなにか、また、利用に際してどのような条件があるのかご紹介していきます。

共有名義とは?

共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有することを指します。
一般的には、夫婦で不動産を購入する場合などに利用され、不動産取得時の支払い金額の割合に応じて不動産の持分が決まります。
たとえば、夫婦が共有名義で6000万円の不動産を購入して夫が3,000万円、妻が3,000万円の支払いをした場合、不動産の持分はそれぞれ1/2です。

共有名義を利用するケース

共有名義を利用するケースとしては、大きく2つあります。
1つ目は、先述したように夫婦などで資金を出し合い不動産を購入する場合です。
一人では、支払いが大変な場合や金融機関から少額しか借り入れられない場合に、共同でお金を出し合い不動産を取得します。
また、親子で資金を出し合い二世帯住宅を購入する場合に使用されることもあります。
2つ目は、遺産相続をした場合です。
不動産は、お金のように細かく分割することができないため、持分を分割して相続することがよくあります。
ただし、遺産相続で不動産を分割した場合、その後の権利関係が複雑化する場合があるので、一時的な処置として共有名義が使用されます。

共同名義・共有持分との違い

共有名義と似た言葉に、共同名義や共有持分というものがありますが、これら3つはどれも同じ状態のことを指します。
どの呼び名であっても、複数人でひとつの不動産を所有することになるので覚えておいてください。

共有名義で不動産購入した場合の税支払い

不動産を共有名義で購入した場合、不動産にかかる税金は持分に応じて支払う必要があります。
支払いは各自でおこなうわけではなく代表者一人が支払いをおこない、のちに共有者から徴収する方になるので、共有名義で購入する場合は誰が代表して支払いをするのか決めておきましょう。
また、共有名義で購入した場合は、共有者全員が連帯者となるため、一人が税金の支払いを滞納したときは全員の責任となるので覚えておいてください。
万が一、滞納が続くようであれば延滞金が発生したり、差押の対象となったりするので注意が必要です。

共有名義で不動産購入をするメリット

共有名義で不動産購入をするメリット

共有名義で不動産を取得する場合のメリットを2つご紹介していきます。

住宅ローン控除の優遇

メリット1つ目は、住宅ローン控除を共有者それぞれが利用できるという点です。
住宅ローン控除とは、ローン残債の0.7%が所得税から控除される制度で、一般住宅の場合は13年間控除を受けられます。
通常は、購入者一人分しかこの控除を受けることはできませんが、共有名義ではそれぞれが購入費用を支払うため、共有者全員が控除対象となるのです。
たとえば、その年のローン残債が1,000万円だった場合、控除額は約7万円となりますが、共有者が2人の場合は2倍の14万円が控除対象となります。
このように、共有者が増えるほど控除額も増えるので、税金を抑えるためには非常に効果的な方法と言えます。

3,000万円特別控除を名義人ごとで利用できる

メリット2つ目は、3,000万円特別控除を名義人ごとで利用できるという点です。
3,000万円特別控除とは、不動産売却時の譲渡所得3,000万円までが非課税となる制度で、売却して譲渡所得が出た場合は所有期間に関係なく控除を受けることができます。
そのため、2人で2分の1ずつ不動産を所有していた場合、譲渡所得6,000万円までが非課税となるのです。
もちろん、共有者が増えれば控除限度額も多くなるので、不動産の価値が高い場合は大幅な節税が期待できます。
ただし、3,000万円特別控除は1人あたりの上限が3,000万円までとなっており、持分比率によっては全額控除できない場合があるので注意しなければいけません。
たとえば、6000万円の譲渡所得が出て夫の持分が4,000万円、妻の持分が2,000万円の場合は、夫は1,000万円分の所得が課税対象となるので、売却する際は控除額を把握したうえで売却するようにしてください。

共有名義で不動産購入をするデメリット

共有名義で不動産購入をするデメリット

続いては不動産を共有名義で購入した場合のデメリットを4つご紹介していきます。

売却時は共有者全員の許可が必要になる

デメリット1つ目は、不動産の売却時に共有者全員の許可が必要になるという点です。
共有名義で購入した不動産は、あくまで共有者全員の所有物になるので、持分比率が高い場合でも独断で売却することはできません。
たとえ、自分の持分比率が9割以上であっても同様のことが言えるので覚えておきましょう。
さらに、売却時は共有者の同意にくわえて全員の捺印が必要になります。
仮に、共有者が遠方に住んでいる場合は、捺印を集めるだけで大変な作業となるので、この点がデメリットとなります。

贈与税の対象となる場合がある

デメリット2つ目は、贈与税の対象となる場合があるという点です。
たとえば、夫婦2人で不動産を購入したあと、なんらかの理由でどちらから支払いができなくなったとします。
このとき、どちらかが残債の支払いを肩代わりすると贈与とみなされ税金が発生する場合があるのです。
そのため、支払いを肩代わりする際は、税金の支払いについて注意を払いながら支払いをしなければいけません。

共有者が他界した場合は相続の対象となる

デメリット3つ目は、共有者が他界した場合に持分が相続対象になる点です。
夫婦2人で共有している場合は、配偶者または子どもが相続対象となるので、そこまで複雑化することはありませんが、友人や仕事仲間と共有していた場合は、相続対象が増え非常に面倒なことになります。
たとえば、友人と3人で不動産を取得した場合に、友人が他界するとその家族が優先的に相続対象となるので、相続の状況によっては共有者がどんどん増えていってしまいます。
共有者が増えた場合、売却時に承諾を得る人数が増えるので非常に面倒です。
また、相続トラブル後に税金の支払いを滞納された場合、他人へ税金の支払いを催促したり徴収に伺わなければいけないので、こういった点も大きな問題となるでしょう。
そのため、友人や仕事仲間と不動産を共有する場合、最初に相続に関する決め事を作るなどの対策をしておくことをおすすめします。

共有者の人数分手数料がかかる

デメリット4つ目は、共有者の数に応じて、登記手数料やローン契約時の手数料が増えるという点です。
不動産の購入時は、登録免許税や住宅ローンを契約する際の手数料が各々に発生するので、通常より多くの手数料を支払わなければいけません。
とくに、不動産を取得した年は出費が多くなるので、その点は理解しておきましょう。
ただし、控除を利用すれば手数料分の費用を回収できるので、不動産を共有する場合はしっかりと控除に関する手続きを済ませておきましょう。

まとめ

不動産購入時の共有名義について解説しました。
夫婦で不動産を購入する場合などはメリットを享受できますが、その他の方と共有する場合はデメリットとなる点が多くなるので注意が必要です。
ただし、デメリットを把握して事前に対策を立てることでデメリットとなる点を補えるので、この記事を参考に対策を立て不動産の購入をおこなってください。


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