パワーカップルとは?利用できる住宅ローンの種類と契約時の注意点を解説
近年、ニュース番組などで「パワーカップル」という言葉を耳にすることが増えてきました。
もしご自身がパワーカップルに該当する場合、住宅ローンの契約時に押さえるべき注意点があります。
この記事では、パワーカップルとは何かにくわえ、パワーカップルが住宅ローンを契約する際の種類や注意点について解説します。
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パワーカップルの定義とは?住宅ローンにはどう関係する?
パワーカップルとは、共働きをしているうえ、世帯収入が高い夫婦のことです。
明確な定義はありませんが、以下の2つの基準が世間ではよく知られています。
●夫婦それぞれが年収700万円以上
●夫婦それぞれの年収は問わず、世帯年収が1,000万円以上
一つ目の基準では最低でも夫700万円・妻700万円は必要であり、世帯年収は1,400万円以上です。
一方、二つ目の基準では夫600万円・妻400万円でもパワーカップルに該当します。
このように、基準によってパワーカップルの世帯年収は大きく異なるため、「パワーカップル」という言葉だけで一概に判断することはできません。
しかし、厚生労働省が2022年に実施した「国民生活基礎調査」によると、世帯年収の平均値は545万7千円、中央値は423万円です。
パワーカップルの2つの基準は、どちらも世帯年収の平均を大幅に上回っていることがわかります。
また、パワーカップルの定義として「共働きであること」は外せない要件です。
夫婦どちらかの収入だけで世帯年収が1,400万円を超えていたとしても、片方が専業主夫・主婦である場合はパワーカップルには該当しません。
パワーカップルと住宅ローンの関係
先述したようにパワーカップルは、共働きで平均よりも世帯年収が高いことが特徴です。
年収の高さは、住宅ローンの借り入れ可能額に影響を及ぼします。
住宅ローンを契約するためには審査に通る必要があり、申込者の経済状況は重要なチェックポイントのひとつです。
「このくらいなら貸しても大丈夫だろう」と金融機関が判断する金額は、年収や不動産の価値から判断されます。
パワーカップルは1人ひとりの年収が高いため、どちらが申込者となっても比較的多額の借り入れができるでしょう。
パワーカップルが利用できる住宅ローンの種類については次の章で解説しますが、共働きであれば2人の収入を合算したり、それぞれが住宅ローンを契約したりすることも可能です。
借り入れ可能額はさらに多くなり、高価格帯のマイホームを購入しやすくなります。
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パワーカップルが利用できる住宅ローンの種類
パワーカップルに限らず、夫婦で住宅ローンを契約する場合には、以下の3種類があります。
●収入合算(連帯保証型)
●収入合算(連帯債務型)
●ペアローン
パワーカップルだからといって、双方が住宅ローンを組まないといけないわけではありません。
しかし、3種類のいずれかを選ぶと、パワーカップルの特徴を生かして多額の借り入れができるようになります。
収入合算(連帯保証型・連帯債務型)
収入合算とは、2人の年収を合わせて1本の住宅ローンを契約する方法のことです。
収入合算には連帯保証型と連帯債務型があり、おもに申込者ではない方の役割が異なります。
連帯保証型では、申込者は債務者、申込者ではない方は連帯保証人となります。
この場合申込者の返済が滞ると、連帯保証人となっている方が返済しなくてはなりません。
次に連帯債務型では、申込者はおもとなる債務者、申込者ではない方は連帯債務者となります。
連帯債務型は夫婦のどちらも債務者であるため、常に2人に返済義務が生じます。
どちらかが返済を滞った場合は、もう片方が2人分を返済しなくてはなりません。
しかし、連帯保証型では住宅ローン控除は1人のみ利用できるのに対し、連帯債務型では2人とも利用可能です。
また、連帯保証型では住宅の名義人は申込者1人ですが、連帯債務型で住宅ローンを契約すると夫婦2人の共有名義となります。
ペアローン
ペアローンとは、1つの不動産に対し、2人が別々に住宅ローンを組むことをいいます。
夫婦それぞれが債務を負い、お互いが相手の連帯保証人になります。
2人で返済する点では収入合算の連帯債務型と似ていますが、ペアローンではそれぞれが借り入れ額を決めて自分の名義で契約する点が大きな違いです。
ペアローンを契約するメリットの1つは、収入合算よりも多額の借り入れができることです。
収入合算でも、2人の収入を合わせて借り入れ可能額を増やすことはできます。
しかし「申込者の年収の半分まで」「合算者の年収の半分まで」のように、合算できる金額に制限を設けている金融機関も少なくありません。
一方、ペアローンにはそのような制限がないため、年収700万円の住宅ローンを2本借り入れることが可能であり、収入合算よりもさらに多額の借り入れが実現します。
また、住宅ローンを別々に契約するため、住宅ローン控除を双方が利用できるほか、団体信用生命保険にもそれぞれが加入できる点もメリットです。
団体信用生命保険に加入すると、加入している方が重い障害を負ったり、亡くなったりした場合、住宅ローンの返済義務がなくなります。
収入合算では、団体信用生命保険に加入できるのは基本的に申込者のみです。
そのため、申込者ではない方が返済できない状態になった場合でも、申込者は1人で2人分の返済を続けなくてはなりません。
一方ペアローンでは、それぞれが団体信用生命保険に加入するため、病気や死亡により返済できなくなった方の住宅ローンの返済は免除されます。
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パワーカップルが住宅ローンを契約する際の注意点
パワーカップルは平均よりも収入が多いため、多額の借り入れが可能です。
しかしパワーカップルだからこそ、押さえておきたい注意点が存在します。
借り入れ金額を抑える
収入合算とペアローンのどちらを選んでも、1人で返済できる額を上回る額を借り入れることになります。
2人とも今の状態で働き続けられるのであれば問題はありませんが、人生は何があるかわかりません。
妊娠・出産や介護、疾病やケガなどで、思うように働けなくなることもあるでしょう。
パワーカップルは1人ひとりの年収が高く、1人働けなくなるだけで世帯年収が大幅に下がります。
2人で働き続けることを想定した額の住宅ローンを契約すると、いざというときに返済ができなくなるかもしれません。
疾病やケガなどで団体信用生命保険が適用されたとしても、片方の返済が免除されるのみで、もう1人の返済は残ります。
また急なアクシデントで支出が増えた場合、住宅ローンの返済が重荷になるでしょう。
住宅ローンの借り入れ可能額は世帯年収の7~10倍ですが、パワーカップルの場合は5倍程度に抑えたほうが無難です。
借り入れ金額に応じた持ち分を設定する
ペアローンは夫婦それぞれの名義で契約するため、双方が不動産の所有者となります。
所有権の登記をおこなう際には、それぞれどのくらいの割合を所有しているのか、持ち分の記載が必要です。
このとき、夫婦だからと50%ずつ持ち分を設定するのではなく、それぞれの借り入れ金額に応じた割合で設定するようにしましょう。
たとえば8,000万円の不動産に対し、夫婦それぞれが4,000万円ずつ借り入れている場合の持ち分は、50%ずつです。
しかし夫が5,600万円・妻が2,400万円を借り入れている場合、夫の持ち分は70%・妻の持ち分は30%となります。
この場合に持ち分を50%ずつにしてしまうと、差額である1,600万円が夫から妻への贈与と見なされ、贈与税が発生してしまいます。
持ち分を設定する際は、不動産に対するそれぞれの借り入れ金額の割合にあわせることが大切です。
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まとめ
パワーカップルに明確な定義はありませんが、共働きであり、世帯年収が平均よりも多いことが特徴です。
パワーカップルが住宅ローンを契約する際の種類には、収入合算とペアローンがあります。
ただし2人とも働き続けることを前提に契約すると、アクシデントが発生した際に返済が難しくなるため、世帯年収の5倍以内に抑えるようにしましょう。
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