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住み替えのダブルローンとは?利用条件やメリットを解説

購入の豆知識

二見 敬祐

筆者 二見 敬祐

不動産キャリア11年

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住み替えのダブルローンとは?利用条件やメリットを解説

生活環境の変化や何かしらやむを得ない理由から、住み替えを考える方は少なくありません。
住み替えでも「そもそも住宅ローンって2重で組めるの?」という疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、住み替えに利用されている「ダブルローン」とはどのようなものなのか、条件やメリット・デメリットも解説していきます。

住み替えのダブルローンとは

住み替えのダブルローンとは

そもそも住み替えのダブルローンとはどのようなものなのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。

ローンが二重になっている状態

ダブルローンとは、その名のとおり「ローンが二重になっている状態」を指します。
住宅ローンが残っている家の買い換えなどの際に利用されることが多いです。
一般的に、住まいを購入する際にローンを契約する場合、1つの金融商品のみを利用します。
しかし、住み替えの場合は現在の居住している住宅のローンが残っており、なおかつ新しい居住地の住宅ローンを契約しなくてはならないため、ローンが二重になるのです。

買い先行の場合に多い

ローンが二重になってしまうのは、買い先行のケースが多いです。
買い先行とは、不動産売却の際に、先に新居を購入してから、居住中の住宅を売却する仕組みのことを指します。
新居を購入してから居住中の住宅が売りに出されるため、現在のローンの返済をそのまま続けながら新居を住宅ローンを組むことになります。
そのため、二重でローンを支払わなくてはならない状況になるのです。
数千万円する住宅ローンを2軒分支払うことになるため、月々の支払いも増え、負担が大きくなることは容易に想像できるでしょう。

住み替え以外にもダブルローンになる可能性がある

先述したように、ローンの二重契約状態になってしまうのは、住み替えをしているケースが多いです。
しかし、それ以外にも同様の事態になる可能性があります。
よくあるのが、セカンドハウスや別荘など、現在の住まいとは別の建物を購入しようとしている場合です。
当然ながらこの場合も、家を新たに購入するために、ローンの契約をしなくてはなりません。
そのため、一方のローンを完済するまでは、二重で返済が必要になるのです。

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住み替えのダブルローンを利用するための条件

住み替えのダブルローンを利用するための条件

住み替えのためにダブルローンを利用する場合、どのような条件があるのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。

同じ金融機関

条件として挙げられるのが、同じ金融機関でダブルローンを契約するケースです。
たとえば、借入残高が物件の担保評価の50%~70%の場合は、融資を受けられる可能性が高くなります。
同様に、ローンを扱っている金融機関が指定する条件に承諾できる場合は、融資を受けられる可能性が高くなります。
ただし、築年数があまりにも古い、または資産価値が下がりやすい木造住宅などの場合は、ダブルローンの利用が難しくなるでしょう。
これは、万が一住宅ローンの返済が滞ってしまった場合に、金融機関は物件を売って資金回収をしなくてはならないためです。
なお、住宅ローンを同じ金融機関で2つ組むことが可能な場合がごく少数であるため、利用が難しくなる点に注意しましょう。

異なる金融機関

異なる金融機関でも、融資を受けられる場合があります。
基本的に、異なる金融機関でダブルローンを契約する場合、新しい金融機関の審査でポイントとなるのが返済負担率です。
返済負担率は、不動産売買においてあまり聴きなれない言葉ですが、これは「年収に対する年間返済総額を割合で示したもの」です。
言い換えると、どの程度の年収があり、そのうちどの程度が返済金に充てられているのかがチェックされます。
返済負担率がどの程度であれば融資が受けられるかは、明確に決まっていません。
一般的には、金融機関の審査に通過できる返済負担率は30%程度といわれています。
この基準は金融機関によって異なるため、色々な金融機関に相談してみるのがおすすめです。

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住み替えでダブルローンを利用するメリット・デメリット

住み替えでダブルローンを利用するメリット・デメリット

住み替えの際にダブルローンを利用すると、メリット・デメリットがそれぞれ存在します。
以下で解説いたしますので、ご参考になさってください。

仮住まいをしなくてもいい

一般的に住み替えをする場合、現在の居住地から新しい居住地に移動するにあたって、仮住まいが必要となります。
現在の家を売却できたとしても、すぐに新居に引っ越しができるとは限らないためです。
仮に新しい家を購入できたとしても、物件の引き渡しには時間がかかるため、引っ越しをするまでの間は仮住まいをしなくてはならないケースが多いです。
仮住まいをする場合、短期間だけ賃貸物件に入居するのが基本的な流れとなりますが、これは手間がかかります。
物件探しのために情報をリサーチして、不動産会社へ相談に行かなくてはなりません。
さらには物件契約にあたって費用もかかるため、仮住まいはできる限り避けたいと考える方がほとんどです。
ダブルローンを利用すれば、買い先行で手続きを進められるため、すぐに物件に入居できます。
仮住まいをする手間が丸ごと不要になるため、時間や費用の削減になるでしょう。

物件が売れやすくなる場合も

買い先行の方法で手続きを進めた場合、物件が売れやすくなる傾向があります。
新しい家を購入してから家を売る場合、昔住んでいた家は空の状態になります。
そのため、住みながら売却活動をする必要がなくなるのです。
家がスッキリした状態で売却できるため、購入希望者には物件そのものの状態を明確に伝えやすくなります。
居住中の状態で販売していると、家具や家電などが設置されているため、建物の細部にまで目が行き届かない可能性が高くなります。
こうしたマイナスポイントを払拭し、建物本来の良さをアピールしやすくなるため、結果として物件が売れやすくなるでしょう。

返済額が増える

デメリットとして、返済額が増える点が挙げられます。
先述したようにローンを二重で契約すると、その分支払わなくてはならない費用が増えることを意味します。
どちらかのローンの返済が終わるまでは、二重に返済を続けなくてはなりません。
もしダブルローンを利用したい場合は、マネープランを十分に考えておかなくてはなりません。

そもそも審査が厳しい

そもそもローンの審査をクリアするのは難しいため、利用したくてもできないケースもあります。
なかには「十分な収入があるので、審査に通過できるだろう」と考えてしまう方もいます。
しかし、すでに他のローンを組んでいると、毎月の返済負担が大きくなるため、安定した返済が難しいのではないかと判断されてしまう可能性があるのです。
金融商品は住宅ローンだけではなく、たとえば学費や車などさまざまな種類があります。
これらを契約している場合、当然ながらその分月々の支払額が多くなるため、新たにローンを二重で契約するのはリスクが高くなるでしょう。
メリット・デメリットも理解したうえで、必要に応じて対策を考えながら、ダブルローンの申し込みを検討しましょう。

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まとめ

住み替えにおけるダブルローンとは、二重でローンが契約されている状態を指し、住宅ローンが残っている家の買い換えなどの際に利用されることが多いです。
ダブルローンの利用条件は同じ金融機関、もしくは異なる金融機関を利用するのかによっても異なります。
仮住まいの必要性が低いメリットや、返済額が増える、審査が厳しいなどといったデメリットもあるので、よく考慮して計画的な利用を検討しましょう。


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