グリーンリフォームローンとは?融資対象となる方や対象の工事について解説

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二見 敬祐

筆者 二見 敬祐

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グリーンリフォームローンとは?融資対象となる方や対象の工事について解説

マイホームのリフォームを検討する際、リフォームローンの金利や返済条件が厳しいと感じる方も多いでしょう。
しかし、リフォームの内容によっては、より有利な条件で利用できる融資制度があります。
本記事では、有利な条件でリフォームができる「グリーンリフォームローン」とはなにか、対象となる方や対象になる住宅と工事について解説します。

「グリーンリフォームローン」とは?特徴とメリット

「グリーンリフォームローン」とは?特徴とメリット

長年同じ家に住んでいると、経年劣化やライフスタイルの変化によって、リフォームが必要になることがありますよね。
そんなときに「グリーンリフォームローン」を利用すると、通常のリフォームローンよりも返済がしやすくなります。

カーボンニュートラルの実現と省エネリフォーム

「カーボンニュートラル」とは、温室効果ガスの排出をゼロにし、脱炭素社会を目指す国の取り組みのことです。
温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなどがあります。
国はカーボンニュートラルの実現に向け、住宅の省エネルギー性能向上を進めています。
この取り組みの一環として、2025年度からは新築住宅に対して省エネルギー基準の適合が義務化されました。
既存の住宅でも、断熱性能の向上など省エネリフォームが求められています。
グリーンリフォームローンを利用すると、こうした省エネルギーリフォームを実現し、環境にも家計にも優しい住まいを作ることができます。

グリーンリフォームローンとは?

グリーンリフォームローンとは、国が既存住宅の省エネを促進するために設けた資金支援の制度です。
2022年10月1日から住宅金融支援機構によって提供されており、マイホームの省エネリフォームに利用することができます。
通常の住宅ローンの金利は0%台から1%台ですが、リフォームローンは2%前後から4%台と、比較的高い金利が設定されています。
このため、リフォームローンを利用するにはハードルが高く、大規模なリフォームをあきらめて、小規模な修繕のみをおこなうケースが少なくありません。
グリーンリフォームローンには、次のようなメリットがあります。

●無担保・無保証で利用可能:担保や保証が不要で、融資手数料もかからない
●全期間固定金利:借り入れ時に設定された金利が完済まで変わらないため、収支計画を立てやすい
●団体信用生命保険の利用:死亡などで支払いができなくなった場合、借り入れ残高がゼロになる
●住宅の省エネ性能向上:リフォームによって住宅の断熱性能を高めると、快適な住環境を実現できる


ただし、グリーンリフォームローンを利用するには、工事要件を満たす必要があります。
適合証明検査機関による現場検査を受け、適合証明書を取得することが必要です。

グリーンリフォームローンの種類とは

リフォームの内容によっては、さらに金利が低く設定された「グリーンリフォームローンS」を利用することができます。
このローンは、ZEH基準を満たす断熱改修をおこなう場合に適用されます。
ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House」の略で、一次エネルギーの消費量をゼロ以下に抑える住宅のことです。
太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用し、外壁や窓の断熱性能を大幅に向上させることで実現されます。
ZEHは、年間を通じて快適な室内環境を維持しながら、省エネルギーを達成する住宅です。
グリーンリフォームローンSを利用すると、ZEH基準の高い断熱性能を持つ住宅へのリフォームが、より一層お得に進められます。

利用条件

グリーンリフォームローンおよびグリーンリフォームローンSは、マイホームやセカンドハウスの省エネリフォームに利用でき、最大500万円まで融資を受けることができます。
リフォーム費用のうち、省エネ工事にかかる費用の2倍までを借りることができ、省エネ以外の工事にも使えるのがポイントです。
返済期間は10年以内です。

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「グリーンリフォームローン」の対象となる方とは?

「グリーンリフォームローン」の対象となる方とは?

グリーンリフォームローンを利用できるのは、以下の条件をすべて満たす方に限られます。

住宅の範囲

このローンは、以下の住宅に対して省エネリフォーム工事をおこなう場合に利用できます。

●マイホーム
●セカンドハウス
●親族が住む住宅


親族とは、申込本人と配偶者(婚約者、内縁関係にある方、同性パートナー除く)の直系親族のことです。
直系親族がいない場合は、申込本人と配偶者(婚約者、内縁関係にある方、同性パートナー除く)の3親等以内の血族および姻族も対象となります。

借り入れ申込時の年齢

グリーンリフォームローンを利用できる方の年齢は、借り入れ申込時に満79歳未満であることが条件です。
ただし、満79歳以上の方でも「親子リレー返済」を利用する場合は、後継者の年齢によって利用が認められることがあります。
親子リレー返済とは、親と子が一緒に1つの住宅ローンを契約し、親子2代で返済していく方法です。

総返済負担率

総返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合を示します。
グリーンリフォームローンを利用するには、次の基準を満たす必要があります。

●年収が400万円未満の場合:総返済負担率が30%以下
●年収が400万円以上の場合:総返済負担率が35%以下


また、申込者の収入だけでこの基準を満たせない場合、同居予定者などの収入を合算することも可能です。

国籍および在留資格

グリーンリフォームローンを利用できるのは、日本国籍の方にくわえて、永住許可などを受けている外国人に限られます。

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「グリーンリフォームローン」の対象になる住宅と工事とは?

「グリーンリフォームローン」の対象になる住宅と工事とは?

グリーンリフォームローンの対象となる住宅と工事についても事前に確認をしておきましょう。

対象になる住宅

自ら居住する住宅やセカンドハウス(週末などに利用する住宅)の省エネリフォーム工事をおこなう場合、以下のいずれかの方が所有または共有している住宅が対象です。

●申し込み者本人
●本人の配偶者等(配偶者、内縁関係にある方、婚約関係にある方、または同性パートナー)
●本人の親族(配偶者を除く)
●本人の配偶者の親族


また、親族が居住する住宅の省エネリフォーム工事をおこなう場合は、以下のいずれかの方が所有または共有している住宅が対象です。

●リフォーム後の住宅に入居する「親」または「子」
●リフォーム後の住宅に入居する「親」または「子」の配偶者
●本人またはその配偶者
●上記に該当する方々の親族(配偶者を除く)


なお、すでにリフォーム工事が完了している住宅や、住宅部分がない建物は融資対象にはなりません。

グリーンリフォームローンの要件となる工事

グリーンリフォームローンを利用するためには、以下の断熱改修工事が要件となります。

●窓やドアなどの開口部の工事:外気に接する窓やドアなどの開口部を省エネ基準に適合させる
●壁、天井、屋根、床の断熱材工事:工事箇所が省エネ基準を満たす、または一定量以上の断熱材を設置・交換する工事


外気に接する開口部(窓・ドア等)の工事は、1箇所以上が要件です。
外気に接する壁、天井、屋根、床の断熱材工事は、いずれかの部位に対する工事が要件となり、部位の一部でも可能です。
また、以下の省エネ設備を設置する工事も要件に該当します。

●高効率給湯機:電気ヒートポンプ給湯機、潜熱回収型ガス給湯機、潜熱回収型石油給湯機など
●太陽光発電設備:太陽電池アレイのシステム容量が1KW以上のもの
●その他の省エネ設備:太陽熱利用設備、高断熱浴槽、コージェネレーション設備


グリーンリフォームローンSを利用するためには、住宅内の1つの区画をZEH水準の断熱改修工事が必要です。

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まとめ

グリーンリフォームローンとは、無担保・無保証・低金利で省エネリフォームができるローンのことです。
対象となる方は、日本国籍または永住許可を受けている外国人で、借り入れ申込時に満79歳未満、総返済率が30%~35%以下などの条件を満たす方です。
住宅と工事の要件もあるため、事前に要件を満たすか確認しておきましょう。


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