住宅ローンの繰り上げ返済のタイミングとは?返済方法や注意点も解説

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二見 敬祐

筆者 二見 敬祐

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住宅ローンの繰り上げ返済のタイミングとは?返済方法や注意点も解説

住宅ローンの繰り上げ返済をしたいものの、どのタイミングでしたほうが良いのか迷っている方もおられるのではないでしょうか。
繰り上げ返済は早いほど効果は大きいものの、注意すべき点も多いため事前に確認しておくことをおすすめします。
そこで今回は、住宅ローンの繰り上げ返済とはなにか、効果的なタイミングと注意点について解説します。
住宅ローンの繰り上げ返済をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

住宅ローンの繰り上げ返済のタイミングとは?

住宅ローンの繰り上げ返済のタイミングとは?

住宅ローンの返済をおこなっている方のなかには、老後に備えるために繰り上げ返済を考えている方もいらっしゃるでしょう。
繰り上げ返済は、タイミングによって得られる効果も異なるため、理解したうえで判断すべきです。
ここでは、そもそも繰り上げ返済とはなにかについて解説していきます。

住宅ローンの繰り上げ返済とは

住宅ローンの繰り上げ返済とは、元金の一部または全額を、本来の返済期限よりも前倒しで返済することを指します。
借入額の元金が減少することで、支払う利息が減り、結果的に総返済額を抑えることができます。
繰り上げ返済は自由なタイミングでおこなうことができ、返済金額も自身で決めることができるため、資金に余裕ができたときにおこなう人が多いようです。

繰り上げ返済の種類

繰り上げ返済の方法には以下の2種類があります。

●期間短縮型:返済期間を短くする返済方法
●返済額軽減型:返済期間を変えず毎月の返済額を減らす方法


両者を比較した際の大きな違いは、支払う利息です。
時間短縮型の場合は、完済までの期間が短くなるため、完済までに支払う予定だった利息を減らすことができます。
返済額のなかで利息部分が占める割合は、借り入れ当初がもっとも高く、時間の経過とともに減少していきます。
そのため、できるだけ早いタイミングで返済をおこなうほど、その効果は高くなるでしょう。
一方で、返済額軽減型の場合は、月々の支払額が減りますが、時間短縮型に比べると支払う利息に対する効果は低くなります。
しかし、毎月の支払額が減るため、生活の負担が軽減されるでしょう。
このように、期間短縮型は毎月の返済額が繰り上げ前と変わらないため、元金の減り方が大きくなり、返済額軽減型よりも利息に対する効果が大きくなるという特徴があります。

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住宅ローンの繰り上げ返済は早いタイミングほど効果が大きい?

住宅ローンの繰り上げ返済は早いタイミングほど効果が大きい?

では、繰り上げ返済をする際は、どのタイミングでおこなったほうが良いのでしょうか。
ここでは、繰り上げ返済の効果的なタイミングについて解説します。

繰り上げ返済は早いほど効果が大きい

結論からいえば、繰り上げ返済は、できるだけ早いタイミングでおこなうほど利息の軽減効果が期待できます。
たとえば、元利均等返済で「借入額3,000万円、返済期間35年、固定金利1%」のケースで、期間短縮型で100万円を1年後、5年後、10年後に繰り上げ返済した場合の利息を比較してみましょう。
ケース①1年後に繰り上げ返済した場合
1年後に繰り上げ返済をおこなった場合、毎月の返済金額は変わりません。
ただし、返済期間が当初よりも1年4か月短縮されます。
また、繰り上げ返済によって軽減される利息は、約39万円となります。
ケース②5年後に繰り上げ返済した場合
5年後に繰り上げ返済をおこなった場合も、1年後と同様に毎月の返済金額は変わりません。
短縮される期間は1年3か月で、軽減される利息は約34万円となります。
ケース③10年後に繰り上げ返済した場合
10年後に繰り上げ返済を行った場合も、期間短縮型のため月々支払う返済額は変わりません。
短縮される期間は1年2か月で、軽減される利息は約27万円となります。
このように、1年後と10年後を比較すると、1年後の方が利息の軽減額が12万円多くなります。
つまり、繰り上げ返済はできるだけ早いタイミングでおこなう方がより効果的であることがわかるでしょう。
なお、返済額軽減型のケースでも、早いタイミングでの繰り上げ返済は効果がある点は共通しています。

繰り上げ返済のコツ

繰り上げ返済をおこなうタイミングについて悩む方も多いでしょう。
繰り上げ返済を考える際は、まず借入先の金融機関が定めている最低繰り上げ額を確認することをおすすめします。
金融機関によっては1円から繰り上げ返済可能な場合もあれば、10万円以上や100万円以上の設定がされている場合もあります。
もし、融資を受けている金融機関で少額から繰り上げ返済が可能であれば、早めに、そしてこまめに返済することが効果的です。
たとえば、10万円以上と設定されている場合は、100万円貯まってから返済するのではなく、10万円ごとに返済するのがコツです。

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住宅ローンの繰り上げ返済をおこなうタイミングにおける注意点

住宅ローンの繰り上げ返済をおこなうタイミングにおける注意点

最後に、住宅ローンの繰り上げ返済をおこなう際の注意点を解説します。

注意点①住宅ローン控除を受けている場合

住宅ローン控除を受けている場合、繰り上げ返済によって控除額が減少する可能性や、控除自体を受けられなくなる可能性があるため、注意が必要です。
住宅ローン控除が適用される条件は、返済期間が10年以上であることです。
期間短縮型の繰り上げ返済をおこなうことで、返済期間が10年を下回ると住宅ローン控除が利用できなくなります。
そのため、繰り上げ返済をおこなう際は、返済後の新しい返済期間を確認し、住宅ローン控除の適用条件を満たしているかをチェックしましょう。
また、住宅ローン控除は、年末時点のローン残高に控除率を乗じて控除額が算出されます。
そのため、ローン残高が減少すると受けられる控除額も減少する可能性があることに注意しましょう。

注意点②返済方法はライフステージによって選択する

前述したように、期間短縮型の方が利息の軽減効果は大きくなります。
しかし、必ずしも期間短縮型を選択しなければならないわけではありません。
なぜなら、返済期間中に子どもの進学などのライフイベントで、支出が増える可能性があるからです。
毎月の返済額を減らすことで家計の負担を軽減できるのであれば、返済額軽減型を選択する方がベストな場合もあります。
このように、ライフステージに応じて返済方法を選択することが重要です。

注意点③生活資金は手元に残しておく

繰り上げ返済をして期間を短縮しても、手元に生活資金が残っていなければ、リスクが増大する可能性があります。
また、怪我や病気、転職、退職などにより収入が減少する場合も考慮し、手元には生活費の半年から1年分は残しておくようにしましょう。
このように、手元の資金をすべて返済に充てるのではなく、繰り上げ返済には余剰金を充てることが重要です。

注意点④繰り上げ返済の手数料に注意する

繰り上げ返済には、金融機関によって手数料がかかる場合があります。
とくに、固定金利型などでは、手数料が高く設定されているケースも少なくありません。
また、インターネット上では手数料がかからない場合でも、窓口手続きでは手数料が発生することがあります。
そのため、返済をおこなう前に、手数料についてよく確認しておくことをおすすめします。

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まとめ

住宅ローンの繰り上げ返済には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
より支払う利息の軽減効果が高いのは、期間短縮型です。
ただし、繰り上げ返済をおこなう際は、ライフステージによって返済方法を決め、無理のない範囲内で返済をおこなうことをおすすめします。


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